共有ジョブジャケットのグループ作業
共有ジョブジャケットファイルにあるジョブチケットを使用する任意のプロジェクトは、共有ジョブジャケットファイルにあるリソースを共有できます。あるプロジェクトが共有リソースを更新すると、同じリソースを使用するその他すべてのプロジェクトに変更を自動的に転送できます。
たとえば、AndreaとHectorの2人のレイアウト作成者が、別々に2つのプロジェクトで作業しているとします。各プロジェクトで、”Bryn’s Job Jackets”という名前のジョブジャケットファイルにあるジョブチケットを使用しているとします(両方のジョブチケットが”Bryn’s Job Jackets”というファイルに存在すればよく、同じジョブチケットテンプレートを基にしているかどうかは関係ありません)。
ここで、両方のジョブチケットが”Logo Subhead”というスタイルシートを含んでいるとします。このスタイルシートはジョブチケットに含まれていることから、スタイルシートの定義はジョブジャケットファイルに格納されます。両方のレイアウト作成者のジョブチケットがこのスタイルシートを含むことから、両方のプロジェクトは共有ジョブジャケットファイルに格納されているスタイルシート定義を使用できます。このため、リードレイアウト作成者であるAndreaが、”Logo Subhead”スタイルシートで使用されているフォントを変更すると、Hectorが作業しているレイアウトに変更を自動的に送信でき、Hectorのスタイルシートのコピーにあるフォントも変更されます。言い換えると、”Logo Subhead”スタイルシートリソースは2つのプロジェクト間で同期できます。
共有ジョブジャケットファイル内で持つことができるリソースの定義は、そのリソースを使用するジョブチケットの数に関わらず、1つのみです。このため、2つのプロジェクトのジョブチケットが同一リソース(この例ではスタイルシート)を使用している場合、リソースをこのプロジェクト間で自動的に同期できます。
プロジェクトファイルにあるリソースのコピーはジョブチケットの同じリソースのコピーにリンクされているものの、独立している点に注意してください。このため、Andreaが”Logo Subhead”スタイルシートのフォントを変更するように、プロジェクトにあるリソースのコピーを変更しても、AndreaとHectorのプロジェクトの両方でグループ作業が有効(ファイル > グループ作業設定)になっていない限り、Hectorのプロジェクトのリソースにあるコピーは自動的に更新されません。Andreaのグループ作業が有効である場合、QuarkXPressはAndreaのプロジェクトから、そのアクティブなジョブジャケットに変更を送信するため、”Bryn’s Job Jackets”にあるリソースのコピーが自動的に更新されます。Hectorのグループ作業も有効である場合、HectorのQuarkXPressが”Bryn’s Job Jackets”から更新された定義を読み込み、Hectorのプロジェクトの新規定義に挿入します。
Andreaが共有スタイルシートリソースの定義を変更すると、AndreaのQuarkXPressはプロジェクトのアクティブジョブジャケットを経由して、ジョブジャケットファイルに変更を送信します。その後、HectorのQuarkXPressがジョブジャケットから更新されたスタイルシート定義を読み込み、Hectorのプロジェクトの定義を更新します。
このような更新を行うタイミングを制御する設定は、グループ作業設定ダイアログボックス(ファイルメニュー)にあります。
更新タブの開く際に、出力の前に、作業中チェックボックスでは、プロジェクトが共有ジョブジャケットファイルからリソース定義を更新するタイミングを「プロジェクトを開くとき」、「出力の前」、または「プロジェクトの作業中」から選択できます。
共有ジョブジャケットファイルに対する共有リソースの変更の読み書き頻度を制御するには、グループ作業設定ダイアログボックス(ファイルメニュー)の更新タブを使用します。
このダイアログボックスにあるジョブジャケットタブには、アクティブなプロジェクトのジョブジャケット構造の名前、状況(共有の有無)、ジョブジャケットファイルのパス、およびアクティブなプロジェクトのアクティブジョブチケットが表示されます。タブの最下段にあるボタンを以下に挙げます。